生アカモクの調理法(食べ方) 茹でて刻んで、ネバネバとろろを作ってみた

アカモクのレシピ 下ごしらえ~とろろ編

去年(2018年)のニュースで、京都の宮津あたりの漁師が栽培したアカモクを売りに出す計画を立てていると知りました。どういう経緯でアカモクを栽培するようになったのか忘れましたが、確かその辺りでは海藻の売り物が無いので養殖技術を開発したという話でした。アカモク自体は東北のほうでは定番の海藻で既に食用とされているようです。

結論から言うと、生のアカモクを調理するのは簡単で、おいしかったです。調理の過程は洗って茹でて刻んで味付けするだけです。しかしながら、フードプロセッサーがあったほうがもっとよかったです。刻みメカブのような風味は白だしを使えば簡単にできました。でも実際に食べてみると、ちょっと胃にもたれるというか、初めて食べたせいか、少量でも胃が重くなりました。

今回は初めてアカモクを調理して試食する過程をレポートしました。ちょっと文章が長くなってしまいましたが、最後までお読みいただけると幸いです。

目次

アカモク

アカモクとは、日本の沿岸部に自生する海藻で、昨今では養殖もされています。主な産地は秋田県などの東北で、京都府や三重県、瀬戸内海の沿岸部でも収穫されています。

アカモクの成分にはポリフェノールやフコイダン、フコキサンチン、各種ミネラルや食物繊維が含まれており、健康にも良いようです。

より詳しい解説はja.wikipedia.org/アカモク/のページをご覧ください。

生のアカモクを購入

そして昨日(2019年2月20日)まさにイオンの食料品店で京都府産のアカモクが海産物売り場に置かれていることに気が付きました。少し立ち止まって考えて、一度アカモクの前を通り過ぎたのですが、やっぱりまた戻って来てアカモクを買うことにしました。なぜ私がアカモクの前を素通りしたかというと、やっぱり「調理が面倒」だからです。私の怠け心が挑戦したい気持ちにいったん勝ったのです。しかし、やってみたいという欲望のほうがあとで強くなってしまい、メカブ昆布のかわりになるかどうか試してみたくなりました。

アカモク(生)京都府産
アカモク(生)京都府産

アカモクの消費期限は加工年月日から2日後でした。

生の海藻を購入したのは今回が人生で初めてです。いつもは沖縄県産のもずくや、三重県産や宮城県産のめかぶ(ワカメの茎を刻んだもの)、北海道の日高昆布や羅臼昆布、鳴門産のワカメなどを料理に使っています。しかし近年、家族が好物のめかぶの価格が高騰して、しかも国産のわかめも手に入りにくくなりました。もずくに至っては1パックあたりの量が少なくなって、ほとんど三杯酢と塩分だけになりました。

国産の海藻は贅沢品となり、庶民の手に届かなくなりました。

庶民の私たちは、魚介類というと、中国産のサバやイカ、韓国・中国産のワカメやメカブを無理やり食べさせられている状況です。中国産といっても近くの某国から買った品を加工しているだけのことかもしれません。鮭はチリ産やロシア産、エビに至ってはインドネシア産かインド産、チリ産しか買えません。牡蠣に至っては1粒70円~100円程と高級品。貧しい国から輸入した安価な魚介類がわが国の食卓や飲食店の大半で使われているのです。

海の民である日本人が、もはや自国の魚介類を食べられなくなっているのです。

日本人だからといっても日本の肉や魚が手ごろな価格で買えない状況が、現在の庶民の姿といえましょう。陸の物でも、国産の豚肉といえば、クズ肉しか安くありませんし。鶏肉はまだ安いですけど、それは長年の〇〇があって低価格になってるのです。

アカモクの調理

では、念のため、調理用のゴム手袋をした状態でアカモクを調理していきたいと思います。なぜ手袋をしているのか、別にいらないんじゃないかと後で思いましたが、どうやって作られたアカモクかわかりませんので、大腸菌などが付いてるとよくないので手袋を使いました。まずはアカモクのパッケージを開封しました。

アカモク

開けた瞬間からアカモクが糸を引きました。結構な粘り気です。このアカモク、引っ張ると半分ほど繋がっていました。一本の細い茎があって、そこから何本も茎が伸びていて房のように海藻の葉が展開しているのです。茎は海流に耐えられるように割と丈夫でしたが、それほど繊維質ではなく、めかぶを細くしたような感じでした。

洗浄

アカモクの洗浄アカモクの洗浄

アカモクをボウルに入った水で洗ってみました。

ぬめりが流れ出て来ました。

フコダインが流出してもったいないです。

アカモクを水で洗う

みるみる水が、ぬめってきました。

もったいないですね~。

どうにかならないのでしょうか?

ちょっと調べてみると、このネバネバ成分であるフコダインは花粉症にも効くとか。ほんとかな!?

アカモクの大半のフコダインがこの洗いという過程で流れ出て行ってしまった気がします。

茹でる

次に、お湯でアカモクを煮て殺菌します。たっぷりの湯をわかしておきましょう。できるならボコボコと沸騰している状態が望ましいです。

アカモクを茹でる

アカモクを湯の中に入れると、茶色いアカモクが一瞬で鮮やかな緑色に変わりました。そして湯の温度が一気に下がってしまいましたので、ここからお湯が再び沸騰するまで3分かかりました。

写真の中央を見てお気づきになられるかもしれませんが「エビ」が何匹かアカモクの中に隠れていました。ちょっと可哀そうですが、エビさんも昇天してしまいました。

気を付けたいのがエビアレルギーのある人です。アカモクの中には、おそらくエビ以外にも何か小さな魚介類や卵などがいるかもしれませんので、体質が敏感な人はやめておいたほうが無難です。

アカモクを茹でる

アカモクを茹でて沸騰しているところです。

灰汁(あく)が出て来ましたよ。

やはり、しっかりと沸騰させておいたほうがいいと思いました。

沸騰してから2分ほど茹でました。

アカモクの茹で汁
アカモクの茹で汁

茹で終わったアカモクはザルに入れて水で灰汁(あく)を軽く流して触れる温度にしておきました。この写真のゆで汁は、アカモクの色素です。この色は何なのでしょうね?鉄分でしょうか!?よくわかりません。調べてみると、この色素はフコキサンチンというそうで抗腫瘍作用があるそうす。お汁はもったいないけど、捨てちゃいました。ちなみに「もずく」はこの色が付いたままですから、フコキサンチンも残ってるんじゃないかと思います。

茹でたアカモクを笊に入れました

ザルに、アカモクを揚げました。

ぬめり成分は水に溶けて失われましたが、表面には少し残っているようで、つるつると光沢があります。

刻み

アカモクの外側のフコダインは流れ出ていってしまいましたので、内部のフコダインを出すために、包丁でアカモクを刻んでいきました。ちなみに包丁は最近買った関孫六で、今のところ、まだよく切れる状態です。

アカモクを刻む

まな板の上に茹で終わったアカモクを乗せてみました。

このままでも、おいしそうです。

別に刻まなくてもいいのでは?と思いましたが、粘り気を出すためには刻まざるを得ません。確かに味噌汁に入れたり、三杯酢で食べるだけなら細かくする必要はなさそうです。今回はめかぶとろろのよなトロミが欲しかったので、すべて細かく刻むことにしました。

ちなみに、まな板は、使い始めてまだ新しい物を使っており、お湯で殺菌してあります。あまりに古いまな板は、細かく切る作業においてプラスチックの破片が入るおそれがあるからです。

アカモクを刻む

ざっくりとアカモクを刻んでみました。

この段階でも十分おいしそうです。

アカモクを刻み続ける

さらに、アカモクを刻み続けます。

三徳包丁なので、刃がカーブしており、リズミカルに刻めます。

アカモクを刻み終える

いったんアカモクを刻み終えたところです。

まだザルにはアカモクが残っています。

すべてのアカモクをこのようにして細かく刻みます。

途中からは、叩くように切りました。叩くように刻むと体力をかなり消耗しますので、普通に刻んだほうがいいと思います。結構疲れて腹筋と利き手の手のひらが特に疲れました。

アカモクの刻み終わり

アカモクをすべて刻み終えたところです。

ずいぶんとコンパクトになりました。

グラムにすると、300gくらいなんじゃないかと思います。

フードプロセッサーを使えばよかったですね。私はフードプロセッサーを持っていませんので、人力で刻みました。

アカモクの味付け

刻んだアカモクを調味料で味付けします。味は人それぞれだと思います。私はカツオの白出汁を少しずつ入れていき、めかぶの風味に近づけました。

アカモクの味付け
アカモクの味付け

せっかくなので、菜箸でかき混ぜてみました(笑)

なかなかいい感じです。

アカモクのとろろが完成しました!

完成~食味評価

アカモクとろろのレシピ

「アカモクのとろろ」が完成しました!

ではさっそく食べてみたいと思います。

まずはアカモクをスプーンですくって食べてみました。
風味はめかぶとろろと同じ味がしました。

次に、ご飯にアカモクを乗せて食べてみました。なんだかサクサクとした食感があり、刻みメカブのようなトロミは薄いです。やはり洗った時にトロミ成分が流れ落ちてしまったからでしょう。このサクサク感はアカモクの粒を噛んだときの音と感覚です。この食感は刻みメカブにはありません。

海藻のランクでいえば、刻みメカブのほうがトロミがあって、より好ましいです。

ですが、アカモクもそんなに悪くはありませんし、きっと今回は洗いすぎたのが原因かもしれません。

アカモクの通販

ここでちょこっとアカモクを宣伝させてください(笑)別に回し者ではないのですが、私もこのページから利益を出さないと困っちゃいますので、すみません。

アカモク
Amazon 楽天市場

調理済みのアカモクはネット通販でも買えるようです。

産地は秋田県のアカモク、三重県産、京都府産、瀬戸内海産、岩手県産と、いろいろあるようです。別名ギバサともいいます。要するに、日本の沿岸ならどこにでも生えている海藻です。
フードプロセッサー
Amazon 楽天市場
少し刻んでからフードプロセッサーにかけると、刃に絡まり付かなくなると思います。

感想

アカモクを初めて調理してみた感想は「フードプロセッサーが欲しい!」でした。調理に何と、1時間もかかっちゃって、ずっとアカモクにかかりっきりになりました。時間がもったいないので、働いている人は既製品を買ったほうがいいかと思います。でも今回は本当に楽しくアカモクを調理できましたので、いい経験になりました。海藻なんて、一から茹でたりしたことはなかったので、またひとつ、レシピを覚えて賢くなれました。

もしもフードプロセッサーがあれば、調理時間は30分ほどで終わるんじゃないかと思います。

そして、アカモクを使ったレシピですが、いろいろアイデアが湧いてきました。
  • 出汁で味付けしたアカモクをご飯に乗せる
  • 味付けしたアカモクを豆腐に乗せる
  • 味付けしたアカモクを卵焼きに混ぜる
  • アカモクのお味噌汁
  • アカモクの三杯酢
などなど、たぶん誰かがとっくの昔に考え付いていることだと思いますが、アカモクを使ったレシピはこういったものを思いつきました。

アカモクを食用として全国の流通網に乗せて販売することは、これまでほとんどやる人がいませんでした。しかし、ここに来て、バンバンアカモクが商品化されてきています。

しかしお金儲けにアカモクを使ったとしても、やはり価格が高ければ庶民には買えません。

今回のアカモクも、国産の生ワカメと似たようなお値段でしたから、いずれは高騰するのが目に見えています。

そういうわけで、私は庶民の皆さんにはアカモクをおすすめしたいとは思えません。

なぜなら「流行ったらどうせ買えなくなるから」です。

いずれ買えなくなるものに愛着を感じるメリットがないのです。

アカモクは、流行ればおそらくは道の駅などのお土産屋さん専用、あるいはお金持ちの専用の食べ物になることでしょう。生産者や売り手は庶民の台所にアカモクを届けたいなんてひとつも思っておらず、価格が上がって自分の懐が潤えばそれでいいのですから。

ですから我々庶民の日常用途としては、今後もアカモクはなじみのないままでしょう。

かつては昭和時代の食卓に必須だったごはん用の「アラ」という海苔を、今では誰も買わなくなったように、残念ながら、現代は国産の食材(海産物と牛肉など)が庶民の毎日の食卓に届く時代じゃなくなったのです。日本にいながら日本の魚や牛肉などが食べられない状況は、平成に入ってからずっとです。昭和の頃はまだ国産で市販のカレイのサイズも大きくて、鮭も安かったです。でも年々魚のサイズが小さくなってきて、一切れのグラム数も少なくなって、薄切りの魚でも大きく切ってるように見せる騙しの方法が現在の主流です。日本人の庶民はずーーーーーっと貧乏なので、なかなか良質なたんぱく質が摂れないのは、昔から続いていることですが、平成になり餓死者はほぼいなくなったものの、現代においても国産のたんぱく質は庶民にとっては贅沢品です。

ということで、一回限りで欲を捨て、楽しいアカモク調理を終わりにしたいと思います!

アカモクご飯はおいしかった!

アカモクご飯
次の日、アカモクをご飯の上に乗せて食べてみました。ほんとうに美味しいです。プチプチとしたアカモクの食感と白だしだけでご飯がすすみます。ご飯がススムちゃん。しかし、調理の手間を考えると毎日や、毎週1回のペースではよっぽど暇じゃないとアカモクの調理は面倒です。思ったんですが、このアカモク、つくだ煮にしてもイケるんじゃないでしょうか。

アカモクは便秘に効いた

そして今日は非常に便通がよくて、良すぎるので何度も大便に行ってしまいました。便秘の人や高齢になってきて出の悪い人にアカモクはおすすめですよ!あ~また大きなほうをもよおしてきました・・・。これから会議や長時間のドライブなど大事な用事がある人などは、アカモクの食べ過ぎに気を付けたほうがいいかもしれません。汚い話で済みませんが「あ~もう、すごく大量です」。便通がいいと、頭もスッキリするので、歳をとるとお通じは脳にも関わる重要な問題でもありますね。今日は何度も大に行ってしまいました。

実のところ、朝から何度も大に行って、5回目くらいで下痢になりました。アカモクを食べた直後は胃がむかむかして消化してない感じがしてました。下痢になった時は胆汁っぽいのが出てましたから、やっぱりこれって、私には毒のせいなんじゃないかと思うのです。もともと体質的に、異物が入るとすぐ下痢するので、アカモクを2食しただけでこんな感じです。そういうわけで、もうアカモクは食べないでおこうと思います。体質的に、未知のアカモクとは相性が悪いのかもしれません。

アカモクのヒ素

「アカモクに含まれるヒ素濃度に及ぼす熱湯処理の影響」(2002年, 花岡研一 , 宮本真至, 臼井将勝)という論文によると、アカモクもヒ素を含有しているようです。洗ってお湯に浸すとヒ素は五の一程度に減るそうですが、やはり食べすぎはやめといたほうがよさそうです。だいたいヒジキのヒ素が約220ppm(μg)/g程度に対しアカモクのヒ素濃度は270~350μg(ppm)/gでした。ちなみに、もずくのヒ素濃度は30ppm/g、ふのり15ppm/g程度、わかめ50ppm/g程度です(海藻中のヒ素,セレン,フッ素およびヨウ素含有量について、1973年)。ヒ素の含有量は生育環境や時代、測定方法などにより誤差があると思います。

海藻って体にいいと思ってたけど、そうでもないのですね。アカモクに大量にヒ素が含まれているなんて、全然知らなかったです。テレビでもそんなことは一言も言ってなかったので騙されました。テレビの洗脳は怖いですね。

ネットでプロ(博士)の人が書いた記事を読んでみると、ひじきは食べても大丈夫と書かれています。そりゃ死なないでしょうね。ひじきを食べて死んだ人なんて見たことないですから。しかも「赤ちゃんがひじきを食べても問題ありません」と言ってる人がいます。しかしこれはちょっと考えたらおかしいとわかるはずです。だって赤ちゃんはミルクしか飲めませんからこの文章はおかしいのです。そしてこの人は、同時にひじきのヒ素は危険だとも述べているのです。安全と危険の両方だと同時に言うのは、誰がどう考えても論理が成り立っておらずおかしいじゃないですか。もしも海藻が安全なら、わざわざ「減らす調理」をおすすめする理由などありません。ヒ素を減らす調理をすすめるのは、まさに危険を認めているようなものです。要するに、海藻のヒ素の毒性について、どこを探しても信頼できる記事がひとつもありません。なので、ベクれても大丈夫という程度の根拠の無い話しか載ってませんので、用心するに越したことはないでしょう。

「あ~あ、変な食材買っちゃって貧乏くじ引いちゃった。」これが私の率直な感想です。ひとつの食材から、おかしなところまで気づいちゃってめんどくさい。アカモクについては、知らないまま、食べないままのほうがよかったです。日本の根拠不明の基準を信じるか、イギリス・カナダなどの研究結果に基づく基準を信じるかはみなさん次第といえましょう。

そうは言っても、海藻、乾物のままおやつがわりに食べるほど私は好きなんですけどね~。やっぱ、キケンなのかなぁ。これからは、海藻やお米は自重したいと思います。海藻のことは、もう早く忘れようっ。

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