投稿

2017の投稿を表示しています

性味(せいみ)-漢方の用語解説

性味(せいみ) 読み方 せいみ 意味 性味とは、伝統的な漢方(中医)の分類法です。辛、甘、酸、苦、鹹(かん)の五分類(五味)があります。辛は生姜のようなスパイシーさ、あるいは薄荷のような清涼さで友汗、解気に利用されます。甘は緩和作用と滋養作用があり一般的な甘い味で薬を調和させるために用いられます。酸は収斂作用があり下剤や制汗剤に用いられます。苦は火を消す作用(高熱を下げることや炎症を鎮める、汗を抑えるという意味)があります。鹹(かん)は下剤作用があり便を軟化させるといわれます。伝統的に寒、冷、暖、熱の四つの性質(四気)と平の性質に分類されます。冷たいの薬は熱障害の治療に使われ、温かい薬は冷たい病気を治療するために使います。 四つの気と五つの味を合わせて四気五味といい中医学の根本概念になります。   引用: wikipedia/性味

桂皮(けいひ)-生薬の説明

イメージ
桂皮(けいひ) 桂皮(けいひ)はクスノキ科の高木であるシナモンの木の皮のことです。シナモンの木の葉は先端が長く伸びた卵状の楕円形で葉脈は基部から少し上で三つに分かれます。葉の裏側は白っぽい色です。夏に細い枝の葉腋から長い花柄を出して淡黄緑色の小さな花を咲かせます。 中国原産のトンキンニッケイ(Cinnamomou Cassia、いわゆるカシア)が生薬としての桂皮です。 シナモンは精油成分としてケイアルデヒドを含みます。 8月~10月に樹皮を剥ぎ取り天日干ししたものを生薬に利用します。 生薬の桂皮の主な産地は中国の広東省、広西自治区、ベトナムです。 効能 ケイヒアルデヒドは血圧下降、心拍数減少、血糖値上昇、末梢血管拡張、鎮痙作用があります。漢方では肉桂ともいい、芳香健胃薬として食欲不振や消化不良に用います。 西洋医学では芳香性健胃薬です。漢方では病気の初期のいまだ病邪が身体の表面にある時に、これを去る目的で用います。 【薬理作用】 精油に胃腸に対する弱い興奮作用があり消化液の分泌を促進します。水エキスは内服または腹腔内注射でラットの実験的胃潰瘍に対して強い抑制作用を示しました。活性成分はcinnamosideです。Cinnamaldehydeは交感神経終末、副腎からのカテコールアミンの遊離を促進しました。 成分 ケイヒアルデヒド(cinnamaldehyde) 桂皮酸 オイゲノール カンフェン シネオール タンニン Cinnamoside、Cinnzeylanol、Cinncassiol A-E、Cinnamtannin A1-A3 B1など 性味 桂皮(けいひ)の性味は辛、甘、熱です。 辛 甘 熱 性味の解説については 性味(せいみ)のページ をご覧ください。 帰経 脾 腎 心 肝 薬効 補火助陽 からだの芯からの冷え、四肢の冷感、頻尿、夜間尿に用います。 散寒止痛 温めると楽になる腹痛、胃痛、月経痛に用います。 温経通脈 下腹部の冷えを伴う痛み、月経痛、無月経等に用います。 原典 神農本草経 採集方法 花期に全草を抜き、洗って陰干しし、穂は日干しにしてから叩いて種子を採取します。花期は4月~8月、果期は

車前子(しゃぜんし)車前草(しゃぜんそう)=オオバコ-生薬の解説

イメージ
車前子(しゃぜんし)車前草(しゃぜんそう)=オオバコ photo qooh http://photozou.jp/user/top/1104906 オオバコの種子のことを 車前子(しゃぜんし)と言います。オオバコの全草のことを車前草(しゃぜんそう)と言います。 オオバコは日本全国の日当たりのよい草地で見られる多年草です。春から秋にかけて小さな花を車状に咲かせます。オオバコの種子はスズメなどの野鳥の餌になります。オオバコは車のわだちに沿って並び生えるので車前草(しゃぜんそう)と名付けられたそうです。 生薬では車前子(しゃぜんし)というオオバコの種子のほか、車前草(しゃぜんそう)という全草を用います。 主な産地は中国の河北省、遼寧省、山西省、四川省などで黒竜江省、内蒙古、吉林、青海、山東などの地域も生産されています。 効能 車前子(しゃぜんし)、車前草(しゃぜんそう)ともに利尿作用、鎮咳作用があります。気管内の粘膜や消化液の分泌を促進します。利尿、下痢、頭痛、心臓痛や子宮病、尿道炎、膀胱炎などに効くとされ、適用が広い万能薬です。中国では便秘の治療に下剤としても利用されます。 車前子(しゃぜんし)は咳や眼病に用いられます。車前草(しゃぜんそう)は膀胱の炎症や腫れものに適用されます。腫れやできものには葉を塩でもんで患部に貼ります。蓄膿症には生薬をアルミ箔で包んで火で蒸してあぶりドロドロにし、鼻孔に入れて膿を吸い出すのに用います。 全草を黒焼きにしてホウ酸軟膏で練って患部に塗るとできものの膿や腫れが引くそうです(※3)。 犬や猫においてはコリン作用が認められます。 主成分はプランテノル酸です。 韓国では車前子は下痢を止め、肝機能を活性化し車前草の生葉汁はアルコール分解を助け二日酔い、食物繊維はダイエットや動脈硬化、コレステロールの減少によいともいわれホ・ジュンが記した東医宝鑑にも記述されています。フラボノイドは抗がん作用があるというそうです。 中国の現代医療では慢性気管支炎、急性および慢性の細菌性赤痢、消化不良、高血圧、顎関節症の治療に車前子を用いる研究もあるようです。 成分 イリドイド:aucubin フラボノイド 多糖類:L-ラムノース、D-ガラクトースなど プランテノール酸、コハク酸、アデニン

牛膝(ごしつ、いのこずち)-生薬の解説

イメージ
牛膝(ごしつ、いのこずち) photo: wikipedia/쇠무릎 牛膝(ごしつ、いのこずち)はヒユ科イノコヅチ属の多年草です。生薬では根の部分を利用します。牛膝は本州、韓国の南部、中国に自生しています。節が牛の膝に似ていることから牛膝と言われます。8月~9月に緑色の小さな花が咲きます。種子は衣服などによく付きます。牛膝の根は薬草として膝痛や神経痛に用いられます。サポニン化合物とステロイド化合物を有しています。 引用: wikipedia/쇠무릎 牛膝(ごしつ、いのこずち)は日本の空き地や林道の道の傍などに生えています。牛膝の種子は7mm程度で先が尖っています。日本の牛膝は二種類あり、日向に生息するヒナタイノコズチと、林の中に生息するヒカゲイノコズチです。日本ではヒナタイノコヅチの根を生薬に、中国ではモンパイノコヅチの根を牛膝と呼び生薬にします。 牛膝の根は直径3mm~7mmほどで7cmほどの長さになります。 牛膝と呼ばれるもととなった節のふくらみは虫こぶによるものでイノコズチウロコタマバエの幼虫が膨らんだ節に住んでいます。 牛膝は漢方では駆虫や駆瘀血(くおけつ)薬にしますが有効成分は不明です。ヒナタイノコヅチは昆虫変態ホルモンという昆虫の脱皮を促進するホルモンがあり、幼若ホルモンとともに昆虫の脱皮や蛹化、成虫化を制御しています。 イノコステロンはヒナタイノコヅチの根に多量に含まれています。クワ、キランソウ、イヌマキ、ワラビ、ゼンマイなど多くの植物にもイノコステロンという昆虫に影響を与えるホルモンが含まれています。 生薬の牛膝は9月~11月に根を掘り起こして洗って乾かします。 牛膝の産地は中国河南省、河北省です。 効能 利尿、浄血、通経剤、脚気、関節炎、中風などに効果があるとされます。 【薬理作用】 アルコールエキスはラットの脚の実験的腫脹に対し消炎作用を認めました。多糖類のマウスの腹腔内注射は免疫増強作用を示しました。総サポニンは、ウサギやマウス、ネコの子宮の興奮作用がありました。ラットの腹腔内に植物変態ホルモンを与えると、肝臓内のアミノ酸合成たんぱく質の含量が顕著に増加しました。煎液をラット、家兎に静脈注射すると血圧降下作用がありました。 成分 トリテルペノイドサポニン(achyranthosid

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

イメージ
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 症状 疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症状。四肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ。 効能 八味地黄丸(はちみじおうがん)に利尿作用をもつ生薬を加えた処方です。手足が冷えて元気がない、全身のむくみ(とくに下半身)、夜間頻尿、尿量減少、尿失禁などの小便や水分代謝の不調で起こる病証に適応されます。 八味地黄丸自体にも尿関係の病証対応に定評のある処方で、小便が通らない、色が薄い、量が多い、失禁する、インポテンツなどの病証に頻繁に使用されます。 本方は八味地黄丸に利尿作用のある牛膝と車前子が加えられているので尿関係や膝痛など、下肢のトラブルへの対応力がより強化された処方となっています。 生薬の附子と桂皮にはからだを芯から温め基礎代謝を高める作用があります。しかし作用が幾分過激なので、その制御を地黄、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)が行い、処方全体のバランスを整えています。 沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、車前子(しゃぜんし)、牛膝(ごしつ)は、からだの水分流通を調え、牡丹皮(ぼたんぴ)は牛膝と配合され血行を動かし利水を促進します。 原材料 牛膝 ・・・性味は苦、甘、酸、平。帰経は肝、腎。 車前子 ・・・性味は甘、寒。帰経は腎、肝、肺。 桂皮 ・・・性味は辛、甘、熱。帰経は脾、腎、心、肝。 附子・・・性味は辛、甘、熱。有毒。帰経は心、腎、脾。 熟地黄・・・性味は甘、微温。帰経は肝、腎。 山茱萸・・・性味は酸、渋、微温。帰経は肝、腎。 山薬・・・性味は甘、平。帰経は脾、肺、腎。 沢瀉・・・性味は甘、淡、寒。帰経は腎、膀胱。 牡丹皮・・・性味は苦、辛、微寒。帰経は心、肝、腎。 茯苓・・・性味は甘、淡、平。帰経は心、脾、腎。 原典と原文 日本語:牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 中国語:牛车肾气丸 台湾語:牛車腎氣丸 原典 済生方(さいせいほう) 南宋時代の医学書(中医典籍)です。著者は嚴用和(1199年~1267年)です。1253年の本。中国語では济生方、严用和。 原文 治腎虚 腰重 小便不利 用量 牛膝 車前子 桂皮 附子(制) 熟地黄 山茱萸

桔梗根(ききょうこん)-生薬の解説

イメージ
桔梗(ききょう) 桔梗(ききょう)はキキョウ科の多年草で日本、中国、朝鮮半島、シベリアなどの東アジアに分布しています。日本では昭和の中ごろまでは草地でキキョウが見られたものの、今では絶滅危惧植物になっています。キキョウの花色には白のほか、青や薄紫色、淡紅色、八重咲きのものや絞り咲きのものがあります。漢方や中医学では桔梗の根を薬用として用います。韓国では桔梗の根を薬のほかに、キムチやピビンパのナムルなどの食用とします。 桔梗根(ききょうこん)を生薬として用いる場合、根をそのまま干したものや、根の皮をむいてから干したものを用います。桔梗根は苦味があります。食用とする場合は桔梗根を水に浸して苦味を調節しますが苦み成分にサポニンの薬効があります。イヌリンは水に浸しても残っています。 桔梗の産地は中国湖北省、四川省、安徽省です。 効能 桔梗の根 (写真は Wikipedia から転載) 西洋医学では桔梗の根は鎮咳薬です。漢方では鎮咳よりも排膿として用います。キキョウ根のエキスに殺菌効果はありません。鎮咳作用はサポニンによるものです。排膿作用を示す成分はマクロファージ活性化作用のある多糖類のイヌリンであると考えられています。 使用部位は根です。そのまま乾燥して生干しした桔梗根と、皮をむいてから干した桔梗根があります。 薬効は西洋医学では鎮咳、去痰薬です。漢方では排膿薬として化膿性疾患や扁桃炎、咽頭痛に用います。 薬理作用は桔梗根エキスを経口あるいは舌下投与で各種動物の唾液分泌促進、気道分泌亢進作用があります。イヌリンにマクロファージの活性化作用があります。50%メタノールエキスに抗浮腫、抗ストレス性潰瘍作用があります。 煎液にはサポニンの局所刺激による去痰作用があります。鎮静、鎮痛、解熱作用のほかに抗炎症、鎮咳、抗コリン作用、血圧降下作用があります。 成分 成分は多糖類のイヌリン、トリテルペノイドサポニンのplatycodinA、C、D、D2、D3、F、polygalacinD、D2などです。 漢方 性味 苦 辛 平 性味については 性味(せいみ)の解説ページを ご覧ください。 帰経 肺 薬効 宣肺去痰 感冒で痰の多い咳嗽の喀痰に用います。 利咽

芍薬(しゃくやく)-生薬の解説

イメージ
芍薬(しゃくやく) ボタン科の多年草で鑑賞用草花として有名です。5月に美しい花を咲かせ冬になると地上部は枯れます。原種の花弁は一重で関東以西の山にはヤマシャクヤクが自生しています。北海道以南の山にはベニバナヤマシャクヤクが自生しています。 芍薬は中国原産で薬用として紀元前から栽培されてきました。日本の伝説に芍薬がはじめて登場するようになったは9世紀頃の小野小町のエピソードからです。「仙伝抄(せんえんしょう)」という1445年の生け花の本に芍薬が鑑賞花として登場します。 生薬として用いる芍薬は芍薬の根の皮をむいて湯通しして乾かしたものを生薬に用います。そのため花部が小さく根が肥大しやすい種類が薬用に用いられます。生薬名も芍薬です。芍薬の根を掘舌ものは気分の鬱滞、精神不安、腹痛、筋肉の緊張、痙攣などに使います。芍薬甘草湯は芍薬と甘草を煎じたもので胃痙攣やこむら返りに劇的な効果を発揮します。 生薬の芍薬は調製法の違いや原材料の違いから「白芍(びゃくしゃく)」「赤芍(せきしゃく)」「真芍(しんしゃく)」などに分けられます。 中国では四川省、浙江省、安徽省が産地です。日本では北海道や奈良県が芍薬の産地です。 効能 根を生薬に用います。瘀血(おけつ)が原因の疼痛、腹直筋の痙急、四肢の筋肉の痙攣などに用います。月経痛や眩暈にも用います。 ペオニフロリンには鎮痛・鎮静・抗炎症・抗ストレス潰瘍・血圧降下・血管拡張・平滑筋弛緩などの作用があります。漢方では筋肉の痙攣、腹痛、胃痙攣、頭痛、婦人病などに用います。 主成分であるpaeoniflorinに次のような作用が認められました。経口投与でラットの水浸拘束ストレスによる胃潰瘍の抑制。ラットの子宮収縮の抑制。ラットの摘出心房標本でぺらとリンによる心房収縮の亢進と不整脈の発現の抑制。経口投与でラットのスコポラミンによる迷路学習阻害を抑制。ラット脳室内投与で鎮静、睡眠惹引、筋弛緩作用を示し、ペンチレンテトラゾールによる痙攣を抑制。このほかガロタンニンはラットの摘出胸部大動脈の弛緩作用を示しました。煎液はウサギの耳血管の拡張作用を示しました。煎液の胃内投与でマウスの腹腔内マクロファージの呑食能を高めました。 成分 変形モノテルペン配合体のpaeoniflorin、oxypaeoniflo

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)-漢方薬-中医学の説明書

イメージ
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) 症状 急激に起こる筋肉の痙攣(けいれん)を伴う疼痛(とうつう) 効能 筋肉の異常な痙攣(けいれん)やこむら返り、腰痛や神経痛、生理痛や胃痛などの痛みの緩和に効きます。芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉の緊張を緩和する作用があり、横紋筋と平滑筋の両方に作用します。 芍薬は筋肉と腱(けん)の異常な緊張を弛緩させます。甘草は急迫症状を緩和し芍薬の作用を増強します。本方は芍薬と甘草の二味のみの処方です。 原材料 芍薬 ・・・性味は苦、酸、甘、微寒。帰経は肝、脾。 甘草・・・性味は甘、平。帰経は心、肺、脾、胃。 煎じた湯の色はごく薄い黄です。 原典と原文 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) 中国語:芍药甘草汤 原典 傷寒論(しょうかんろん) 原文 傷寒 脈浮 自汗出 小便数 心煩 心煩 微悪寒 脚痙急 反与桂枝欲攻其表 此誤也。 得之便厥 咽中乾 煩躁吐逆者 作甘草乾姜湯之・・・(中略)・・・若厥愈足温者 更作芍薬甘湯与之 其脚即伸。 用量 芍薬12g 甘草12g 用法 上二味,用水600毫升,煮取300毫升,去滓,分温再服。 (600mlの水で300mlになるまで煮だして残渣を濾す。温めて服用する。) 百度百科「芍药甘草汤」 から引用しました。 通販 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は通信販売でお求めいただけます。 【第2類医薬品】ツムラ漢方 芍薬甘草湯(1068) 24包 【第2類医薬品】ビタトレール 芍薬甘草湯エキス顆粒A 30包 【第2類医薬品】芍薬甘草湯エキス細粒34 2g×12包 【第2類医薬品】クラシエ 芍薬甘草湯エキス顆粒 12包 関連ページ 漢方薬と生薬の種類 引用: 漢方ポケット図鑑 宮原桂  このページの内容はいくつかの文献から効能について調べたレポートであり医療用の資料ではありません。

乾姜(かんきょう)又は干姜-漢方薬-中医学の説明書

イメージ
乾姜(干姜) 乾姜(カンキョウ)は干姜とも書き、ショウガの根茎を蒸して乾燥させた物のことです。ショウガはショウガ科の多年草です。根茎は多肉質で横臥し、節から偽茎が直立します。偽茎は草質で上部に二列互生します。 効能 精油成分であるショウガオールは唾液中のジアスターゼの作用を促進させ強い殺菌作用があります。漢方では体を温める効果があるとされ、芳香性健胃、矯味、矯臭、食欲増進薬として用いられます。腹痛や腰痛にも効果があるとされます。 成分 辛味成分:ショウガオール ジンゲロン ジンゲロール 精油成分:ジンベキロール ジンベキレン等 漢方(中医学) 性味 辛 熱 帰経 脾 胃 肺 心 薬効 温中散寒 消化器が冷えて痛む、不消化性の下痢・嘔吐等に用います。 回陽中脈 体が芯から冷え、四肢が冷たい時に用います。 温肺化痰 呼吸器が冷えて出る咳、希薄で多量な痰が出る時等に用います。 原典 神農草本経 読み方 日本語:乾姜(かんきょう) 中国語:干姜 gan jiang 英語:Dried Ginger Rhizome ラテン語:Zingiberis Siccatum Rhizoma 乾姜を含む漢方薬 大建中湯(だいけんちゅうとう) 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 乾姜の通販 乾姜(かんきょう)は通販でお求めできます。 小島漢方 乾姜 カンキョウかんきょう 刻み 500g【RCP】 参考: 漢方ポケット図鑑 宮原桂

山椒(さんしょう)花椒(かしょう)-生薬の解説

イメージ
山椒(さんしょう)花椒(かしょう) photo  りす小僧@Never too late! project. ミカン科の落葉低木です。果実はピリリと舌に辛みを感じます。葉は食用として、実は食用とスパイスのほか、種子を取り除いた果皮は漢方薬に使われます。 効能 辛味成分には殺虫・解毒作用のほかに、局所刺激作用があります。辛味成分には芳香性健胃・整腸・利尿・駆風作用があります。漢方では食欲不振、消化不良、胃下垂などに用いられます。 腹を温め、嘔吐、下痢、回虫による腹痛に用います。 成分 精油成分:d1-リモネン、dipentene、citronellalなど。 辛味成分:サンショール(hydroxy-α-sanhsool、α-γ(ガンマ)-sanshool)等 キサントキシリン、キサントキシン、タンニンなど。 漢方 性味 辛 熱 帰経 山椒(さんしょう)花椒(かしょう)の性味は脾、胃、腎です。 脾 胃 腎 性味については 性味(せいみ)の解説ページを ご覧ください。 薬効 温中止痛 冷えによる激しい腹痛、嘔吐・食欲不振、下痢等に用います。 止痔 外用として煎液を湿疹、女性の陰部のかゆみに用います。 原典 神農本草経 山椒の読み方 日本語:山椒(さんしょう) ラテン語:Zanthoxyli Fructus 英語:Japanese pepper 中国語:山椒 Shānjiāo 産地:鳥取県、和歌山県など 生息域:日本~朝鮮半島南部 花椒の読み方 日本語:花椒(かしょう) 植物名:カホクザンショウ ラテン語:Zanthoxylum bungeanum 英語:Sichuan pepper 中国語:huājiāo ホアジャオ 別名:川椒 蜀椒 椒紅 産地:四川省、湖北省、河北省 山椒を含む漢方薬 大建中湯(だいけんちゅうとう) 山椒と花椒との違いについて 日本で作られる漢方薬は山椒を用いている薬もあります。中国では花椒が用いられます。 販売 山椒は通販でお求めいただけます。 サンショホール(花椒) 和山椒【10g】 関連ページ 漢方薬と生薬の種類

高麗人参(こうらいにんじん)-生薬の解説

イメージ
高麗人参(こうらいにんじん) ウコギ科の草丈60cmほどになる多年草です。根は直根性で根茎(こんけい)は短いです。花期は夏です。葉の先端に淡い緑色の花を多数つけます。苗を定植してから5年~6年後に根を掘り上げて日干しにして生薬として用います。 人参(高麗人参)は中国最古の本草書である「神農本草経」に載っている有名な生薬です。根が人の字の形に二股になっているほうが効くという迷信があり名前に人の文字がついています。学名のPanaxはギリシャ語のpan(すべての)とacos(治療する)という言葉が合わさり万能薬を意味しています。ginsengは人参の中国音です。 人参(高麗人参)は江戸時代に西アジア原産の野菜の人参(キャロット)の種子が中国から伝わってから名称が混乱しています。生薬の人参(高麗人参)はウコギ科で、野菜の人参(キャロット)はセリ科で根が太い直根であることだけは似ています。はじめは野菜の人参(キャロット)に芹人参という名前がつけられましたがいつの間にか芹が取れて「人参」と呼ばれるようになりました。本家本元の人参と野菜の人参を区別するために「薬用人参」「高麗人参」「朝鮮人参」などと呼ばれるようになりました。 高麗人参は日本でも昔から人気が高く、江戸時代には対馬藩だけが輸入を認められていました。朝鮮半島の野生の人参が枯渇し人参の代価として日本の金銀銅が大量に国外に持ち出されると、徳川吉宗は日光御楽園で人参(高麗人参)の種子を増やして各藩に配布して栽培を奨励しました。そのため人参(高麗人参)は御種人参(オタネニンジン)と呼ばれるようになりました。 高麗人参は芽が出てから収穫まで5年~6年かかり、日陰を好むので畑に屋根が必要です。連作を嫌うので同じ場所で繰り返し栽培することはできません。日本では福島県の会津地方や長野県上田市周辺、島根県大根島で人参(高麗人参)が栽培されています。 高麗人参のほとんどは中国からの輸入品です。 高麗人参は強壮薬として知られています。免疫の割賦、抗疲労、胃腸の衰弱の快復、血流の増加などの効果が知られています。ジンセサノイドと総称される各種のサポニンが薬効の中心であると思われます。 高麗人参は韓国と北朝鮮の特産品で、朝鮮語で人参(インサム)と言います。 中国北東部の吉林省、黒龍江省、朝鮮

膠飴(こうい)-生薬の解説

イメージ
膠飴(こうい) うるち米を蒸した後に麦芽汁で発酵糖化してつくった水飴を濃縮したものです。黒っぽい茶色の飴玉。主な産地は日本です。 効能 新陳代謝を盛んにして強壮作用とともに鎮痛・鎮痙作用を有します。漢方では体力と気力を補い回復させ、去痰、去咳の効能があります。 成分 麦芽糖 デキストリン たんぱく質 脂肪など。 漢方 性味 膠飴(こうい)の性味は甘、微温です。 甘 微温 性味については 性味(せいみ)の解説ページを ご覧ください。 帰経 脾 胃 肺 薬効 補中緩急 温めると軽減する腹痛に用います。 潤肺止咳 慢性的な空咳、痰の無い咳等に用います。 原典 名医別禄 読み方 膠飴(こうい / jjao yi)Saccharum Granorum 膠飴を含む漢方薬 大建中湯(だいけんちゅうとう) 販売 膠飴(こうい)は通販でお求めできます。 膠飴(コウイ・こうい)生・大晃生薬50個 関連ページ 漢方薬と生薬の種類 引用: 漢方ポケット図鑑 宮原桂  このページの内容はいくつかの文献から効能について調べたレポートであり医療用の資料ではありません。

過去の投稿(こちらをタップすると開きます)

もっと見る