桂皮茶(シナモンチャ、ケピチャ)の成分と効能-계피차-韓国茶

桂皮茶(シナモン茶、ケピチャ)韓国茶

桂皮茶(けいひちゃ)とは別名シナモン茶、韓国語でケピチャ(계피차)といいます。韓国の桂皮茶とは、シナモンとショウガを煎じた茶のことです。蜂蜜で甘味をつけ、棗や松の実をうかべます。カルシウムとカリウムが豊富で高血圧や骨粗しょう症、老化防止によいとされます。

シナモン(ニッケイ)

シナモン 肉桂 桂皮

シナモンは精油成分としてケイアルデヒドを含みよい香りと風味があることから医薬以外にも食品に広く利用されています。日本に輸入されるシナモンのほとんどがカレーやソース、菓子などの食品用です。シナモンと同じ香りがする植物はほかにも数種類ありますが、流通しているものはトンキンニッケイ(シナニッケイ)、セイロンニッケイ、ジャワニッケイです。

トンキンニッケイは中国原産の常緑高木でインド、中国南部、東南アジアで広く栽培されています。ギリシャには古代アラビアのサバ人によて紀元前五世紀に運ばれています。日本には五世紀から六世紀の間に朝鮮半島から医師の渡来とともに肉桂が日本にもたらされたと思われます。奈良の正倉院には756年にもたらされた薬とともにシナモンも桂心の名前で残っています。

セイロンニッケイはスリランカとインド南部が原産でスリランカで盛んに栽培されています。枝の太さが指くらいになったときに皮をはぎ、外皮を削って薄い皮を何枚も重ねて乾燥させます。セイロンニッケイは香りが優れているため食品に使われます。

ジャワニッケイはインドネシア原産で樹皮に粘液を含んでいる特徴があります。

ニッキとは、日本に自生するニッケイ(肉桂)の根の皮のことで細い根ほど精油の含有量が多いとされます。中国では品質のよいシナモンのことを肉桂と呼びます。

シナモンは沖縄などの亜熱帯で栽培可能です。

効能

トンキンニッケイの樹皮は西洋医学で芳香性胃健薬として消化不良や食欲不振に用いられます。漢方では病気の初期の病邪が身体の表面にあるときに邪を去る目的で用いられます。肉桂は風邪の初期に用いられる葛根湯に配合されています。日本では樹皮のみを使い、中国では樹皮だけでなく、枝の表皮を桂皮、細い枝をそのまま刻んだものを桂枝といい、桂枝はより病邪を去る効能が強いとされます。

成分

シナモンの成分は精油を1%~3%含み、主成分はケイアルデヒド(cinnamaldehyde)です。他の成分にcinnamoside、cinnzeylanol、cinncassiol A-E、cinnamtannin A1-3、B1などです。

【シナモンの栄養素】
  • カリウム 550 mg/100g
  • 炭水化物 80 g/100g
  • マグネシウム 87 mg/100g
  • カルシウム 1200mg/100g
  • タンパク質など

薬理作用

精油に胃腸に対する弱い興奮作用があり消化液の分泌を促進します。水エキスは内服、あるいは腹腔内注射でラットの実験的胃潰瘍に対して強い抑制作用を示しました。活性成分はcinnamosideです。Cinnamaldehydeは交感神経終末、副腎からのカテコールアミンの遊離を促進しました。

東医宝鑑(トンイボガム、동의보감)という李氏朝鮮時代の医学書にはケピチャ(계피차)は体の中を暖かくして血脈をよくし、肝臓や肺の「気」を均等にする効果があるとされます。血行促進作用があるため韓国では生理痛の緩和に効果、体温が上昇するため減量効果があるといわれます。シナモンに含まれている2'-HCAが皮膚がんの活性を阻害し治療に効果があるといわれます。

禁忌

シナモンの副作用は血液凝固を妨げるので、手術予定の人や出血している人には副作用があります。腎臓が悪い人、妊娠中もシナモンは禁忌とされます。高血圧や高熱のときに使ってはいけません。

作り方

韓国伝統茶の桂皮茶(계피차)の作り方。2リットルの水にシナモン10g(薄目)~50g(濃い目)とショウガ20g(薄目)~50g(濃い目)を入れて30分ほど煎じて濾します。お好みではちみつ、松の実やナツメなどを加えて飲みます。はじめての場合は薄目がよいでしょう。

漢方薬

シナモン(ニッケイ)が使われている漢方薬には葛根湯(かっこんとう)、桂枝湯(けいしとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、麻黄湯(まおうとう)があります。

葛根湯は風邪のひきはじめの諸症状に効果があるといわれます。桂枝湯(けいしとう)は高齢になり体力が低下して疲れやすいなどの虚弱体質で汗がでるものに適用されます。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は体に滞った「血(けつ)」の流れをよくし、冷えのぼせ、月経にまつわる不快症状、頭痛やめまいに効果があります。十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)は「気(き)」と「血(けつ)」を補う漢方薬で冷えや疲労回復、病中病後の疲れに効果があります。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は気管支炎、アレルギー鼻炎、むくみ、気管支喘息、感冒、花粉症に効果があります。八味地黄丸(はちみじおうがん)は体力が中程度以下で体が冷えて疲れやすく尿量が減ったり頻尿に効果があるといわれます。麻黄湯(まおうとう)は風邪による寒気や熱に効くと言い伝えられています。

桂皮茶

桂皮茶は通販でお求めできます。セイロンとカシアとがあり、カシアはスパイシーでセイロンはマイルドです。

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一部「身近な薬用植物 指田豊 木原浩」という本から引用しました。書き間違い等あるかもしれませんので、内容に対する保証はありません。この記事は2016年3月2日に書いたものを2017年12月11日に書きなおしました。

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